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初夏には山野に出かけて山菜採りをしている人たちを良く見かけます。
秋にはキノコ狩りのハイシーズンになって山野にでかけるお年寄りm増えてきます。
春には食べておいしい蕗の薹(ふきのとう)蕨(わらび)薇(ぜんまい)た蕗(ふき)そしてタラノメなど多くの食べられる山菜が沢山生えています。
山菜以外の野草のツクシ、ヨモギ、タンポポなど食べれる野草ですね。
秋には多くのキノコの種類が一斉に生えてきます。
ナメコ にナラタケ(あまんだれ) そしてヒラタケや ムキタケ。 他には クリタケ 舞茸(マイタケ) など様々なキノコが採集できます。
大勢の方が野原などでワラビなどを家族連れで摘んだり、山の中に生えているキノコを趣味で大量にとってきて近所におすそ分けしたりメルカリで販売したりなどしている人も大勢います。
でも実は
山は自然のもので公共のものだと勘違いしている人が大勢います。人里が無い山でも国有林で国が所有していて勝手に山菜を採取することはできません。※詳細は別途記載
キノコ採りや山菜取りや野草採りが違法になる理由と法律
そして
実際にあったトラブルや逮捕例や山菜取りや野草採りを楽しく安全にする心得3つをご紹介します。
キノコ狩り山菜採りで違法になる|間違った認識
キノコ狩り山菜取りをしている多くの人が間違っている認識があります。
- 自然の場所で勝手に生えてきている山菜や野草やキノコを取っても問題ない。
- 自然の物は自然のものなのでタダだし最初に見つけた人のもの。
という勝手な思い込みがあります。
道端などで咲いているタンポポや雑草と同じ認識をしているのだと思います。
でも実は自然と思っている土地全てには所有者が存在しています。
自然の環境であろうが山奥であろうが人が住んでいなかろうが全ての土地には必ず所有者である国または個人が存在します。
つまり、極端な話ですが道端のものであろうが大自然真っ只中のものであろうが勝手に断りなしに採るといこと自体は原則として窃盗という行為になってしまうのです。
知らずに山菜やキノコを取って厳重注意を受ける人や更には処罰や逮捕される人までいます。
土地には必ず所有者がいる。
そして
法律がある。
ことを忘れないで楽しい山菜採りやキノコ狩りをしてもらいたいものです。
国有林の山中で大量に山菜キノコを収穫して販売している田舎などの直売所(道の駅)などで山菜やキノコを販売している人達がいます。
しかし、販売されている山菜やキノコも勝手に山に入って取ってきたものでありません。
山菜採取のグループの人達も国と交渉して「副産物売り払い」という手続きをして国有林内での山菜を採取する権利のお金を払って収穫しています。
国有林野で販売用として山菜を採取するには... 山菜を 採取する区域を所管する森林管理署に対し、山菜の所在地・目的・種類・数量等を記載した売払願を提出し、承諾を得た上で、代金を納付する必要があります。
引用:総務省・国有林野の山菜を採るための申請を受け付けてもらえず、困っている
またメルカリなどで収入目的で山菜を販売している方にも、ちゃんと個人所有の私有地の山林で収穫している又は許可を受けて採取したものと明示している場合もあります。※明示していないものは問題があるかもしれません。
メルカリでも注意喚起しています。
私有地、公有地にかかわらず、森林において山菜やきのこ採りを無許可で行うと、「森林窃盗罪」となり、3年以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられます。
他人の私有地や公有地で許可無く採取したもの、出荷が制限されている地域で採取した山菜・きのこ類の出品はおやめください。
もしメルカリやヤフオクで山菜やキノコを購入する場合は
- 許可をもらって収穫しているか
- 個人所有の山林で収穫していないか
- 2点に注意して購入しましょう。
キノコ狩り山菜取りが違法になる2つの法律
山野で山菜やキノコを採ることが犯罪になる法律には2つ該当します。
一つ目の法律は
自然公園法
この自然公園法というのは、国立または県立の自然公園内で施行されている法律で
簡単に言えば公園内の一切のものの持ち出しは禁止だということです。
第十三条
3 特別地域(特別保護地区を除く。以下この条において同じ。)内においては、次の各号に掲げる行為は、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の許可を受けなければ、してはならない。
引用:自然公園法
石ころ一つでも禁止です。
実際に森林官と呼ばれる職員がパトロールしています。
ただ実際のところ国や県が山菜取りで被害届を出す事めったにはありませんが中には処罰されているケースもあります。
自然公園法第83条の罰則は「懲役6ヶ月または50万円以下の罰金」です。
では
同じ県などで管理されている河川の河原など生えているヨモギやツクシやノビルなどは問題ないのでしょうか?
やはり河川には河川法という法律があります。
主に販売目的だとか大量採取など環境破壊になるほどのものでなければ黙認されているようです。
2つ目の法律は
森林法
山林で適応される法律で勝手に私有地の山でキノコやタケノコまたは山菜などを勝手に採ることを禁じているものです。
無断で採取したことがわかれば森林窃盗罪(森林法197・198条)が適応されます。
第百九十七条 森林においてその産物(人工を加えたものを含む。)を窃取した者は、森林窃盗とし、三年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
第百九十八条 森林窃盗が保安林の区域内において犯したものであるときは、五年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
引用:衆議院・森林法
保安林とは
水を育んだり、土砂崩れなどの災害を防止したり、景観や保健教養などの公益目的を達成するために、伐採や開発に制限を加える森林のことである。
実際に多くの人が罰則を受けている実例がありますので注意してください。
国有林で山菜採りをする場合は入林許可証が必要になってきます。
多くの国有林野では、森林法や自然公園法等各種法令により行為制限が設けられています。
各種調査等を目的に入林し、国有林野内の動植物を捕獲・採取・伐採等したり、国有林野の土地に穴を掘る等の形質変更等を行ったりする場合には、上記の入林手続きとは別に、制限を行う権限を有する機関(都道府県や環境省等)での各種法令に基づく手続きが必要な場合があります。入林届の提出前に、入林をご希望の国有林を管轄する森林管理署等にご相談ください。
もし不安な方は山菜をするであろう管轄の森林管理署に連絡されることをお勧めします。
安心に安全に山菜採りをしましょう。
キノコ山菜採りなどの植物採取で逮捕・罰則を受けた実例
多くの場合は利益がある植物(例えばキノコやタケノコ)などは警察に被害届がだされるケースが多いようです。
その被害届を受けて警察が動いて検挙したり逮捕したりする場合が多いようです。
中には
モミジなど利害が関係ないものなども第三者からの通報で犯罪とみなされる場合もあるので注意しましょう。
山菜採りで実際に検挙されている実例ですので参考にしてみてください。
【富士山麓で山菜採りで33人の男女が警察に検挙】
静岡県の富士山の西側に広がる朝霧高原。
市民や県外の観光客らしき人達が車道に車を停めて柵を乗り越え山菜を採っています。
村で管理して柵で囲い立ち入り禁止の看板そしてチェーンもしている草原なのですが一切お構いなしです。
警察に33人もが検挙されています。
引用:静岡新聞より
実際私も目撃しています。
春先になると富士山ろくの周りにある広大な草原ですが野焼きなどして管理している場所で立ち入り禁止のロープをしていても勝手に入って山菜採りをしています。
同じように御殿場地区にも広大な自衛隊の演習場があります。
立ち入り禁止のロープが張ってありますが東京など多くの観光客が道端に車を停めてロープを跨いで山菜採りをしています。
見ていて悲しくなりますね。
知らず知らずに法律違反している人達が多くいるのが現状です。
その他の逮捕や検挙された例では
- 旅行の帰りに道端に生えているタケノコ数本を持ち帰り窃盗で警察に逮捕
- 造園中の公園予定地に生えているタケノコを採取して窃盗で逮捕※(これなどは私有地でなくて公園なので県の所有地ですね)
- 私有地の野生のクルミを数十個を取って窃盗で逮捕
- 国定公園内でキノコを盗んだ男性が森林窃盗罪で書類送検
- 旅行で訪れた国定公園内の山野草を採取して警察に逮捕(罰金30万で野草をもとの場所に戻させられた)
- 県道の道端の落ちているモミジの枝を持ち帰って鉢植えにしていたら警察に逮捕
これは個人所有の林に入ってクルミを拾っていた本人は「地球に生えているものを採って何が悪い」と反論して畑でない野生の木のクルミだから問題ないと思っていたのでしょうね。
人気の富士山の溶岩を持ち帰りでも禁止ですね。
子ども達にもちゃんと教えないといけません。
キノコ狩り山菜採りでトラブルにならないための3つの心得
若い人たちが増えてきてルールがわからない人たちも増えてきています。
今まさに大人の私たちが子ども達にしっかりと山菜取りキノコ狩りのルールを伝えていかなければなりません。
個人所有でもない自然公園でもない国や県が管理している山林での多少の山菜やキノコの収穫は黙認されているの現状です。
山菜採りキノコ狩りでトラブルに会わないための前の心構え3つをお伝えします。
- 公園や個人の場所では採取しない
- 許可・入山料を払う
- 大量に採らない
自然公園内や個人所有が分かる場所では山菜採りやキノコ狩りをしないこと
自然公園内では少しの山菜やキノコでも採取しないこと。
個人所有の山でも同じです。
検挙されている多くの人が第三者に見られて通報されているからです。
自然公園では法律で一切の動植物の採取が禁じられているので見て愛でる位の気持ちをもってもらいたいものです。
その他では「1本ぐらいいいや」「自分だけだからいいや」この気持ちが自然生態を狂わす要因の1つになっています。
高山植物の不法採取と同じ心境ですね。
軽い気持ちで採取して警察に検挙されて罰金刑になっている人も多くいます。
大人が子供の見本になってしっかりと小さい頃より指導してほしいものです。
山中に看板やロープなどで「個人所有の土地」だとか「勝手に山菜やキノコを採らないでください」と警告されている場所では絶対に侵入しないこと採取しないことを心がけましょう。
所有者の許可をもらうこと
所有者が個人以外の国や県が管理している山野の場合は国や県の営林署などに問い合わせしてみましょう。
特にやっかいなのは前述した「産物売り払い」で国有地の森林の山菜採取契約している地区や山菜クラブなどの存在があった場合はわかりにくいことがあげられます。
やはり一番問題なく山菜採りをするには地元の森林管理事務所などに確認するのが良いでしょう。
林野庁のサイトでは多くの国有地には制限が設けらえているので入林許可の申請が必要だと記載があります。
入林を希望される方で、下記の「入林手続が必要な場合」に該当するときは、入林予定の国有林を管轄する森林管理署・支署、森林管理事務所(以下「森林管理署等」という。)に入林届等の提出をお願いします。
ただし、レクリエ-ションの森、スキー場、野営場、林道(一般車両等の通行を禁止している場合を除く。)、登山道、歩道、広場、休憩小屋等の施設が設置されている場所に、登山や森林浴など森林レクリエーションの目的で入林される場合は、入林届の提出は不要です。
また、山菜がある山林や野原や田んぼや畑など近くに人が住んでいそうな場所では近所の人たちに挨拶がてら聞いてみるのが良いと思います。
- 個人所有の山林なのか?
- 共同管理して入会権などがあるのか?
など地域の人なら知っていると思います。
入会権(いりあいけん)とは?
昔から山の麓の自治会などでは入会権(いりあいけん)というものがあります。
自治体で山を所有して伐木・採草・キノコ狩りのなどの共同利用を行う民法が定める用益物権。例として「キノコや山菜は地区住民に限り年間一人10kgまで」など
また中には地区や個人で入山金というものを徴収している場所もあります。
その時はお金を払い入山することで気持ちよく山菜採りができますね。
入山許可証などの料金はそれほど高くはありません。
ちなみに
先ほど富士山の麓の西部地区の富士宮地区での違法山菜採りの検挙があげられましたが、東部の自衛隊の広大な草原の山菜と薬草採取は許可証が発行されていないと違法とされています。
山形県の下記の地区では1地区500円で1年間利用できます。
地区によって様々ですね。
市内の5地区(山寺・高瀬・東沢・滝山・蔵王)の国有林から山菜やきのこ等を採取するときは、入林許可証を携帯して入林してください。入林許可証は1地区500円(1年間有効)で発行しています。
引用:山形市「国有林での山菜・きのこ採りには入林許可証が必要です」
山菜やキノコを採る時は地元の方に一声かけると状況も確認できますので必ず山菜取りをする前に地区の確認をとりましょう。
たったそれだけで全然気持ちが違いますね。
山菜キノコを大量に採らないこと
家族で数日食べる分位の量を採取しましょう。
家族で今日食べる分位ならいいでしょうが、中には根こそぎ数ヶ月分または1年分保管するほどの大量に採取する人たちがいます。
そして、所有権や販売権もない人たちが山林に入り山菜を人にあげるため、ヤフオクやメルカリで販売して利益を得るためなど多くの理由で大量に採取する人もいます。
土地の所有者や入会権をもっている地元の人たちも道端に生えている山菜を数本取る位なら目をつぶれますが商売にしたり根こそぎ採取するのであれば警察に通報せざるおえません。
熟練の山菜取りキノコ狩りをしている人は必ず少しの株や芽を残していきます。
すると次年度もその株や芽から新しい山菜キノコが生えてきます。
素人の人などは見つけたら根こそぎ採取してしまいます。必ず1.2割くらいは残して次の世代が育つようにしておきましょう。
自然に優しい山菜取りを心掛けましょう。
この3つの心得があれば安心して楽しく山菜採りキノコ狩りができます。
周りが大勢採っているから私たちも大丈夫、問題ないと思わないでしっかりと知識を身につけて楽しく山菜採りキノコ狩りをしましょう。
番外編:山菜取りツアーや有料山菜取り公園などの利用
番外編になりますが自然の中でのキノコ狩りや山菜採りは素人では難しいことも多いですしコロナで3密が心配なところです。
家族連れや1人でキノコ狩りや山菜採りがよく分からない場合は最初からお金を払ってキノコ狩りや山菜取りができるキノコ狩り山菜ツアーに参加するのも1つの手です。
ツアーや公園であれば事前に許可をとってあるので問題なく入山して間違いなくキノコや山菜を採取できます。
色々キノコや山菜についてのうんちくが聞けたり料理の方法なども教えてもらえるメリットもあります。
例としては
有料のキノコ狩り
東京都青梅市 内沼きのこ園
東京の近郊でキノコ狩りを楽しめるキノコ園があります。
キノコ狩りができる種類は原木に養殖している「シイタケ」が主体で状況によってはマイタケ狩りなどもあります。野生のキノコの生育している雰囲気は味わえます。
シイタケ狩り
入園料:大人200円 子供100円※収穫したきのこは、100g当たり300円(税抜)
長野県 松茸山 別所和苑
天然のマツタケを採れる珍しい場所です。1本まで採取がOKで天然なので取れない場合もありますと但し書きがあります。
一名様3,000円(簡単なガイド付き・傷害保険付き)
松茸の採取は、一人1本ぐらい
二本目からは、採られた松茸は時価でお買い上げ
アソビュー:全国のキノコ狩り体験
全国のレジャーや遊び体験の予約サイト「アソビュー」
数は少ないですがキノコ園でのキノコ狩り体験ができる箇所を紹介してます。
有料の山菜採り
伊豆半島 稲取細野高原 春の山菜狩り園
4月上旬~5月上旬
イベントは中止のための本来は入園料金:大人 500円なんですが
2021年は入園料無しだそうです。
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