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これから梅雨になるとアジサイの花が咲き、カタツムリの似あう季節になってきますね。
実はカタツムリとナメクジは同じ軟体動物の貝の仲間なのです。
そして、大きなくくりでは、カタツムリの中の一種にナメクジが含まれている形になります。
ナメクジは進化の過程で貝を無くしてしまった貝の仲間なんです。
海でも同じような進化をしたものがタコやイカそしてウミウシなども同様に体内に殻を取り込んで消失させた生き物なんです。知っていましたか?
また、このような貝殻の消失を「ナメクジ化」とも称されています。
カタツムリとナメクジは同じ仲間で唯一の違う1点
同じ仲間の部類で食性も多くは草食です。(中にはミミズなどを食べる肉食のナメクジもいます。)
口にあるギザギザの歯のような歯舌と呼ばれるもので葉っぱの表面をはぎ取り食しています。
唯一の違いといえば殻をもっているか無いかの違いだけです。
カタツムリ
カタツムリと呼ばれるのは陸生で肺呼吸ができる巻貝の総称です。
日本には700種類ほどのカタツムリがいますが、一般にはウスカワマイマイやオナジマイマイです。
また種類によって右巻き、左巻きなどがあるのが特徴です。
カタツムリの殻の元は自然や人工物の恵み
タツムリの殻は炭酸カルシウムというもので構成されています。海の貝は海中にカルシウムが豊富にあるので動かなくても貝殻が造られます。川に住んでいる二枚貝も同じですよね。
しかし陸上ではカルシウムを容易にとることができないので移動できないアサリやシジミなどの二枚貝はいませんね。(笑)
陸上の貝は全て移動できる巻貝です。
土中のカルシウムを摂取して殻を作りますが、市街地に多いカタツムリはコンクリート塀などに多く張っているのをみかけますが、実はコンクリートに含まれるカルシウムを摂取するために舐めに、だから集っまているのです。
カタツムリが居るという場所はカルシウムがいっぱいあるミネラル豊富な場所なんです。
ナメクジ
同じ陸で生きている巻貝の仲間でしたが、殻を脱ぎ捨てて体内にごくわずかに残るような進化(別な意味で殻を退化した)をしたのがナメクジです。
中には貝殻の痕跡を背中に残したままの「コウラナメクジ」という種類も現存しています。
また一般的に家庭で良く見かけるナメクジはチャコウラナメクジという体長5cm。体の前方背面が甲羅状になっており、甲羅には灰黒色の2本のすじ模様があるてアメリカ軍物資に紛れ込んで侵入したとされるものです。
家庭菜園やご家庭の鉢植えの下などに隠れて夜に食害にあったりします。
では何故ナメクジは殻を消したのでしょうか?
ナメクジが殻を脱ぎ捨てた理由
それは、速度を早くして広範囲に移動できるし、殻が無いためにどこにでももぐりこめるという利点があったからとも言われています。
また殻を生成するにはカルシウムを摂取しないといけないので、摂取できない場所でも生きられるために殻を無くしたともいわれています。
つまり、カタツムリとの棲み分けなどの生存競争の進化の一因があったのかもしれませんね。
一方、カタツムリのメリットもあり、殻があるために、外敵から身を守れる、殻で覆われているために水分が奪われにくく乾燥にも耐えられるという面もあります。
1・カタツムリとナメクジは食べれるのか?
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カタツムリはヨーロッパではでエスカルゴ(フランス語でカタツムリを意味する語)と呼ばれて料理の名前になって食べられています。
ただし、食用となっているのは養殖されて衛生管理されているものです。
野生のカタツムリやナメクジには寄生虫が宿っている可能性が高いために、絶対に食べるないようにしましょう。特に生で食した人が死亡した事件などもありますので十分に気を付けてください。
但し
日本でも昔から民間治療としてカタツムリの一種の小さなキセル貝を薬としていたものもあります。
カタツムリ以外にも巻貝はいます。桑の木によくいるカンニャボといわれる昔から田舎の人は肝臓にいいと言って薬として重宝していました。
カンニャボ開発物語
http://www.kannyabo.com/?mode=f1
2・カタツムリやナメクジの共通の外敵
主に鳥や小動物(ネズミ、イタチ、トカゲ、カエル)ですが、中にはアナグマ、ツチブタ、タヌキ、イノシシ、などからも捕食されたりします。
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マイマイとはカタツムリの別名で、頭をカタツムリの殻の中に突っ込んで捕食するので時々カタツムリをかぶっている姿をみかけることからつけられました。
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見た目は気持ち悪くゾッとしますがナメクジなどを捕食します。
3・ナメクジやカタツムリに塩をかけると死ぬ?
よくナメクジには塩をかけると溶けて死ぬといわれていますね。
なので水分の塊のようなナメクジの体があっという間に小さくなってしまい死んでしまうのです。溶けてしまうわけではないのです。
もちろんカタツムリも同じ原理で水分が外に出てしまいますが、直ぐに殻の中ににげてしまうのでナメクジと同様にはなりません。もちろん殻の中に塩を入れてしまえば、サザエの様に蓋が無いので浸透圧で死んでしまいます。
4・カタツムリとナメクジの驚きの生殖
雌雄同体なんです。
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実はこの軟体動物は、オスでありメスである雌雄同体といわれる驚きの生き物なんです。
つまり、人で言えば男性と女性が一人の人間を形成している状態で、出会った時点でお互いを女性にするか男性にするかを決めるのです。
また最終的に出会いがなかった場合は自家生殖といって、自分の中にあるオスとメスとで子供を産むことをします。
これは、進化の過程で出会う機会が少ないために、出会ったら確実に子孫を残すため手段なんです。
驚きますよね。
5・カタツムリとナメクジの名前の由来
それぞれ意味があってつかれれています。
カタツムリの名前の由来
「かたつむり」
別名で
「デンデンムシ」は童謡の「でんでんむしむし、かたつむり♪」が由来。「出ん出ん虫虫」という意味で、殻から出てきて虫(カタツムリ)という語呂からカタツムリ=デンデン虫となった
「マイマイ」は学術言語で巻貝の事を指します。カタツムリはマイマイ目陸生有肺類
漢字では
ナメクジの名前の由来
「なめくじ」
ナメクジの這った後の葉はカタツムリと同様に、葉が削られたようになっているため「滑らかにえぐっていく」という意味でつけられたようです。
またカタツムリをナメクジと呼んでいた古い時代には、殻が無いことから今のナメクジを裸ナメクジと呼ばれたこともあったそうです。
漢字は
カタツムリとナメクジ「まとめ」
カタツムリとナメクジは同じ仲間で違いは殻を持っているか、持っていないかの違いだけで、それ以外の習性や生態はほぼ同じです。
ただ見た目はナメクジの方が気持ち悪く感じてしまうのはなんでしょうかね。
また今は外来種のオドロオドロしい模様の大型のナメクジもいますので気持ち悪いですよね。
生物学的位置
軟体動物門の腹足綱の有肺目です。
つまり体がぐにゃぐにゃしてる骨が無い体でヌメヌメと歩き、肺で空気を吸い呼吸ができる陸生の貝。
同じ陸生の巻貝の仲間(ナメクジは貝が消失・退化している)
住んでるところ
カタツムリやナメクジを見つける場所は日陰の石の下に良く見かけますね。
カタツムリは殻があるので殻の口に膜を張って、中の水分が蒸発しないようにして、日陰の場所に張り付いたりしています。
食性
主に草食で葉などの表面を削って食べる。(中には肉食あり)
生殖
雌雄同体で体の中にオスとメスの生殖器が一緒にあることで、お互いに交尾して子孫を増やす。
卵を湿ったところに数十個程度を産む。
寿命
1年~3年といわれるが、長生きする個体もいる。