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2019年12月7日の夜に放映になったブラタリ「花巻~花巻はなぜ宮沢賢治を生んだ?~」

 

岩手県花巻市でタモリと林田理沙アナが

 

宮沢賢治のゆかりの地を巡って宮沢賢治の人物像に迫る内容でした。

 

番組内で驚いたことが、

 

宮沢賢治の代表作「銀河鉄道の夜」の銀河鉄道の乗り物が

 

煙を吐き出す石炭で走る蒸気機関車の汽車(SL)ではなくて

花巻市内を走行していた電気で走る電車(花巻電車)

 

だったということでした。

 

銀河鉄道=汽車と今まで思っていましたので、とても驚きました。

 

では何故?汽車・SLではなく電車だったのか?その理由を解いていきます。

 

銀河鉄道の夜のモデルは電鉄 2つの理由

 

 

  1. 花巻市に電車が開通しており実際に賢治が乗車していた
  2. 銀河鉄道の夜の文章に「汽車ではなくて電車」という文章がある

 

花巻市に電気で走る電車が存在した事実

 

今の花巻駅には

 

JR東北本線

JR釜石線

 

の2線の電車が通っています。

 

けれども、賢治が住んでいた当時には、石炭で走る汽車が2線開通していた他に東日本で初めての電気で走る電車の花巻電車が開通していました。

 

そして、なんと宮沢賢治や高村光太郎も乗車していました。

 

「ブラタモリ」の番組では地元の学芸員の方が説明していましたが、実は宮沢賢治は鉄道好きで鉄道に乗ることが好きなオタクで「乗り鉄」だった。

 

銀河鉄道に電気で走る列車とわかる文章がある

 

「銀河鉄道の夜」の物語の箇所にモデルが電車だったという痕跡の個所としては

 

  • 静かに発車したという文面
  • 煙が無いのでアルコールか電気で走っているだろうと言う文面

 

この点からも、

 

静かに走るのは汽車でなく電車

煙がでないのは電車

 

だということからもわかるということでした。

 

特に下記の文章をみれば、はっきりと「石炭で走っていない=汽車・蒸気機関車でない」とあります。

 

「それにこの汽車石炭をたいていないねえ。」ジョバンニが左手をつき出して窓から前の方を見ながら云いました。
アルコールか電気だろう。」カムパネルラが云いました。

引用:「銀河鉄道の夜」

 

他にも賢治の本には花巻電鉄がモデルのような文章もあります。

 

  • 春と修羅(第一集) 「電車」「風の偏倚」「昴」「冬」※ここでは、そのもの「電車」という題名がついていますね。
  • 春と修羅( 第三集) 「停車場にてスヰトンを喫す」
  • 詩ノート 「運転手」「藤根禁酒会へ贈る」
  • 「早春独白」「(四信五行に身をまもり)」
  • 「冗語」
  • 「電軌工事」(「朝のうちから」先駆型)

 

 

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銀河鉄道の夜のモデルは汽車SLになった理由

 

一番の影響は松本零士さんの銀河鉄道999などの漫画から「銀河鉄道=SL汽車」というイメージがついていましたね。

 


銀河鉄道999

 

他の漫画家「ますむらひろし」さんの漫画・アニメ「銀河鉄道の夜」

 


アニメ版 銀河鉄道の夜

 

それに、漫画以前に多くの絵本などの挿絵もSLだったので汽車と言うイメージがついていました。

 

 

夜空の星空に走る煙を吐き出しながら走る汽車が表紙やイラストで描くことで良いカッコいいイメージが強くなるから分かった上で描いているのもあるのでしょうね。

 

まさか東北の地方の花巻に来た日本初の電車が開通しているとは思いませんでした。

 

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銀河鉄道の夜のモデルの花巻電鉄の特徴や歴史

 

花巻の電車は廃線にはなってしまいましたが今でも実際に見ることができます。

 

 

花巻電鉄は1913年・大正2年に開通した76m幅の狭いレール幅の電車でした。

 

何故、それほどに狭いレールだったかというと車道に沿って脇を通行する路線だったためです。

 

レール幅狭いために、番組でも映像がでていましたが、とても細く幅が短く車体幅は1.6mです。

 

両側の座席に座るとお互いの膝がぶつかる程でした。

 

その姿から花巻電鉄デハ3は馬面電車(うまづらでんしゃ)またはハーモニカ電車と呼ばれていました。

 

なぜ、花巻で汽車でなくて電車にしたかという理由には、電力会社が発電所で余った電力の利用先として鉄道にしたという背景があります。

 

製造したのは雨宮製作所

 

路線は2つ

中央花巻から花巻温泉間の7.4km
西花巻から西鉛温泉間の18.1km

 

1969年・昭和44年に廃線になりバス運行に変わりました。

 

廃線跡は現在自転車専用道となっていますので路線をサイクリングできます。

 

花巻鉄道を見るには、現物が公園に保存しているので花巻市まで行って見学するか、またはyoutubeで動画で見るか、本で見る3つの方法があります。

 

花巻電鉄の馬面電車を見学する3つの方法

 

昭和の40年代に廃線になってしまったので、残念ながら走行している花巻電鉄は見ることが出来なくなりました。

 

けれども

 

今でも花巻電鉄を見る方法は3つありますのでご紹介します。

 

1:花巻電鉄を実際に見る

 

 

出典:公式ページ

 

 

花巻市の材木町公園で現物の花巻鉄道の通称「馬面電車」が見学できます。

 

番組では乗車したりしていましたが、残念ながら普段は金網で囲われて触れることはできません。

 

  • 花巻市材木町公園
  • 住所:花巻市材木町3-28
  • 施設:市民の家、旧花巻電鉄車両(展示用)、バスケットゴール、ベンチ、トイレなど

 

桜の木もあり春には満開でとても美しい公園です。

 

2:動画で花巻鉄道を見る

 

この映像で見ても細長い電車ですね。

 

 

3:書籍で花巻電鉄を見る

 

Amazonなどで多数の花巻電車の本が販売されていました。また他の鉄道の本の一部にも掲載されているようです。

 

全て絶版で3000円以上の高額になっています。上中下の3巻セットになっています。

 

 



下巻は8000円以上の高額です


 

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【まとめ】銀河鉄道の夜のモデルは電車

 

岩手鉄道と勘違いしていた人も多かったようです。

 

私は銀河鉄道の夜のイメージは銀河の夜の天の川を煙を吐きながら進む汽車でしたが違いましたね。

 

イメージ程怖いものはありませんね。

 

まさかこんな(失礼ですみません)

 

田舎に大正時代から電車が開通していたとは思いもよりませんでした。

 

若い頃に新幹線で東北に行って

 

宮沢賢治の記念館に行き何時間も見学して、

 

本当に実直に生きていたのを感じて感動したのを思い出しました。

 

この記念館でも銀河鉄道の夜は汽車のイラストだったような思いがあります。(笑)

 

宮沢賢治記念館