Amazonやメルカリなど個人売買するサイトで副業が流行っている最中、来年の東京オリンピックも見据えて2019年6月にチケット高額転売禁止の法律が施行されました。
個人でもチケット転売で1円でも利益がある場合は罰せられる厳しい法律です。
どのような背景で施行され、実際どのようなケースで違法にあたるのでしょうか?
文化庁公式サイト:チケット不正転売禁止法
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【図解】チケット高額転売禁止の法律が出来た理由
各都道府県の条例で路上などでのダフ屋(チケット転売)行為はで禁じられてはいましたが、インターネットでの転売などが増大してファンなどが定価で購入できない等の問題が浮上していて、一番この法律を待ちに待った業界が音楽業界です。
音楽業界は人気コンサート等の高額転売の被害をモロに受けていたからです。
よく知らない人からみれば、「転売屋が定額でチケットを購入しているのだから、転売されたとしても利益は変わらないのではと?」疑問に思う方もいるかもしれません。
また欲しい人は「高くてもチケットが手に入れらることで観れるからいい」という人もいるほどです。
実際に音楽業界から見た転売による被害の構図はどうだったのでしょうか?
もちろん前提には公正な価格でより多くのファンに観ていただきたいという主旨もありますが、もっと深刻なのは業界全体に対する利益の減損でした。
簡単に説明すると
Aさんの音楽に費やす「こずかい」は
2万円だったとします。
〇〇コンサートチケットが1枚1万円。
- 音楽業界の売上 2万円
こずかいの全ての2万円が業界の売り上げにつながります。
一方、高額転売されているチケットを購入する場合は
転売チケットを2万円で購入残りの予算は0円でグッズは諦めた。
- 音楽業界の売上 1万円
- 転売屋の利益 1万円
結局おこずかいで買う予定のグッズを購入できないで、音楽業界に入る1万円の売り上げが転売屋―の利益になってしまいます。
このように、転売屋が介入して高額販売で利益を上げれば上げるほど、業界の売り上げが下がるというものでした。
転売ヤ―が暗躍すればするほど業界全体の売り上げが下がり悪影響を受けてきました。
それに伴い、ファンの怒りの世論も動かしたのもいうまでもありません。
昔は行けなくなったファンがチケットを転売などもしていました。
しかし、今では完全に転売が一つの職業として成り立ち、チケットの買い占め、高額販売で利ザヤで儲けるという業種までになってしまったのが一番の原因ですね。
チケット不正転売禁止法とは
正式名称は
特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律
特定興行入場券の不正な高額転売を禁止する法律です。
- 入場券不正転売禁止法
- 入場券転売禁止法
- チケット不正転売禁止法
- チケット転売禁止法
などとも呼ばれています。
特定興行入場券の不正転売を禁止するとともに、その防止等に関する措置等を定めることにより、興行入場券の適正な流通を確保し、もって興行の振興を通じた文化及びスポーツの振興並びに国民の消費生活の安定に寄与するとともに、心豊かな国民生活の実現に資することを目的とする
特定興行入場券とは
簡単に言えば
- 音楽・演劇・スポーツなどの鑑賞チケット(紙面・Web)で
- 有償譲渡禁止の明記されてる
- 日時・座席や入場資格者を指定されてる
- 本人確認(氏名・連絡先)が必要
3つの条件が揃ったものです。
ただし
本人確認を行わずに窓口などで購入可能なチケットもあります。
プロ野球やJリーグといったスポーツのチケットは当日券を求めるという特徴があるのでこれらの禁止法の条件には該当しません。
今後の検討事項ですね。
興行入場券(それを提示することにより興行を行う場所に入場することができる証票)であって、不特定又は多数の者に販売され、かつ、①興行主等が、販売時に、興行主の同意のない有償譲渡を禁止する旨を明示し、かつ、その旨を当該入場券の券面等に表示し②興行が行われる特定の日時及び場所並びに入場資格者又は座席が指定され③興行主等が、販売時に、入場資格者又は購入者の氏名及び連絡先を確認する措置を講じ、かつ、その旨を当該入場券の券面等に表示しているもの
「不正転売」にあたる行為
生業(転売で収入を得る目的で)で定価より高く転売する行為。
個人でも収入を得るために何度も販売している人は該当します。
また
転売目的でチケットを購入する行為も罰則の対象になります。
特定興行入場券の不正転売興行主の事前の同意を得ない特定興行入場券の業として行う有償譲渡であって、興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格とするもの
売る人が注意する点は
1円でも定価より高く売った場合や繰り返し販売して利益目的で販売している場合は罰則の対象になります。
たまたま、行けなくなった1枚のチケットをオークションに出展したというのは業ではないので対象外ともうけとれますが、微妙なグレーゾーンとなりますので、辞めておいた方がいいでししょうね。
必ず定価で譲渡する、公式なサイトで定価販売するなどを心掛けてください。
上に当てはまらなければ問題ありません。
行けなくなった不要なチケットを定価額で譲渡販売するはOK。
買う人が注意する点は
販売・転売目的でチケットを購入した場合は法律違反となります。
これが、個人だとしても高額チケットでも転売目的で購入したとしてもNGとなります。
どうしても鑑賞したくて入手したチケットが無効、入場不可になる可能性もあります。
これから、いえることは業界側からの主旨も踏まえて、高額転売されているチケットには手を出さないことが賢明ですね。
不正転売
業として、興行主やその委託を受けた販売業者の事前の同意を得ないで、販売価格を超える金額で有償譲渡すること
不正仕入
不正転売の目的で、譲り受けること
罰則
違反者は「1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」(第9条第1項)する。公訴時効は3年。
実際に過去にあったチケット転売による逮捕例
2019年1月にも、コンサートチケットを不正に入手して転売した疑いで、30歳の男性が逮捕されています。
中には本人確認の偽装のために、現地で本人の身分証明書やスマホを渡して現金を受けとっていた人もいたそうです。
どんどん規制が厳しくなっても抜け道があるのですね。
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行けなくなった不要なチケットを転売する方法はあるのか?
実は利益を出さないで販売する分には問題がありません。
つまりチケット定価が5000円であれば5000円で販売することです。
実際に「ぴあ」が業界団体からの委託を受けて「チケトレ」を開設してチケットの定価リセールトレードを開始しています。
チケット転売禁止法でのリセール販売の業界の老舗「チケット流通センター」の在り方も問われていますね。
一応、転売禁止法のページで警告文を掲載しているにも関わらずジャニーズなどのキンプリのチケットは本人確認OKで同行参加という抜け道で1枚5万円などの高額販売されていますね。
また来年の東京オリンピックでも行けなくなったチケットや不要になったチケットを転売するためにリセールという方式でネット上での販売譲渡の仕組みが既にあるそうです。
規定にはチケットを知人ご友人に譲渡販売することも問題がないと明記しています。
今後のチケット販売の行く末
本当のファンだけれどもグッズを購入する資金が足りないために、多くのチケットを予約して、余ったチケットを高額販売して、その利益でグッズを購入していた人もいますが、これもアウトですね。
今AI関連が非常に発達してきていますが、その中でも顔認証の精度が高まってきています。
その内にゲートでチケットと紐ついている顔でないと入場できなくなってしまうかもしれません。
といより、転売ヤ―がいたからこそ、こんな面倒なことになったのが原因です。
昔のような良き日本であったらこんな経費のかかる面倒なことも起こらず、一部の転売ヤ―だけが儲かって潤うのでなくみんなが潤う世の中でいたかもしれません。
今の日本、詐欺も横行して嫌な世の中になりました。
転売は合法だといっている輩もいますが同じレベルだとも思います。
よき日本に戻ってほしいものです。
公式サイト:チケット不正転売禁止法